試乗記: マクラーレンGT スーパースポーツカーと快適性の両立とはいかなるものか(前編)

スポーツカー試乗記

今回の試乗記は、どこから見ても超が付くスーパーカー、マクラーレンのGTです。今回は、少し長期で乗れる機会がありましたので、詳しめにインプレッションさせていただきます。

マクラーレン GT

RHD(SSG_4.0)

価格:2,690万円

マクラーレンのイメージと言えば、やはり F1 ということになります。

そのためか、今時ポルシェでもフェラーリでも、何ならランボルギーニにまであるSUVなんかのラインナップはなく、さらに言うならフロントエンジン車すらありません。

まさにスーパーカーメーカーで、そのラインナップはスーパースポーツと、その上のアルティメイトシリーズで構成されています。

ですが、そこから外れた、いわゆる快適仕様が、今回紹介するGTの位置付けです。

(現在の最新型はマイチェンをしてGTSと名前を変えてますので、今後新車注文するならGTSとなるのでしょう)

さて、この車。色々な動画等見てますが、基本、みなさん絶賛です。

GTの名の通り、広いラゲッジを持ち、快適な乗り心地で、且つ超高性能なスーパーカーとみなさん言われています。

実際乗ってみると、まさにGT!

これぞスーパースポーツと快適超高級車の融合!

というべき内容でした。

忖度無しで言うなら、いい意味でも、少し悪い意味でも。。。

ということで、ちょっと気になる点もありましたが、先ずは、良いトコロから。

とにかくカッコいい!

やはり、これでしょう。

今までのマクラーレンも、もちろんカッコいいクルマばかりだったんですが、どうにもフロント周り、特に目が若干微妙な感じのクルマが多かったんですが、これは文句無しです!

サイコーにカッコいいです。

この車は、”目”も少し細めになり、非常にスマートな印象。

しかも、全幅はなんと2,095mm(エンツォより広いやんけ!でも、2045mmや1925mm説もあり、何が正解?)に対し、全高は1,213mm。

スーパーカーの基本に則った、超ワイド&ローです。

特にリアから見ると、バケモンのように幅広い。ディテールも、サイドの巨大なインテークや、ピラーからルーフの作りなど、ケチの付けようがありません。

個人的には車高がやや高く感じますが、そこはGTとしての使い勝手も加味してでしょう。

なお、当然フロントリフトアップ機能もありますので、少々の段差も怖さはありません。

正確に言うと、一番低いのはリアのディフューザーで、聞くところによると地面から80mmしかないそうです。前は擦らなくても、後ろを擦るかもしれないので、ご注意を。

さらにカッコよさをアップさせているのは、もちろん 上に開くシザードア です。

本家?ランボでも高級グレードのみ。フェラーリに至っては超々高級車しかみられない超スーパー装備が、マクラーレンは基本全車標準装備です。

乗り込むまでは、モデナはおろか、最新のV8(あ、今はV6か)フェラーリよりスーパーです、もちろんフロントエンジンのフェラーリやポルシェなんぞ、スーパーさでは足元にも及びません。

あ、さすがにアヴェンタドールには負けるかな。でもあっちは4,000万円オーバーなんでね。

こっちは、アンダー3,000万円 です。高いっちゃ高い(いや、高すぎる!ちょっと感覚がおかしくなってるな。。。)んですが、これだけのクルマです。安いといえば安いです!

で、乗ってみる前に、ラゲッジチェック。

GTのGTたる所以。この手のクルマとしては、十分なラゲッジスペース があります。

フロントフードの下にトランクがあります。まあ、ちょっと狭いかな。という感じ。もちろん長物は乗りません。

が、この車、リアにも荷物が乘ります。

リアハッチを開けると、ちょうどポルシェケイマンのように、エンジンの上にカバーがあり、キャビンまで素通しです。

ここなら長物も可。ゴルフバック2つ詰めるそうです。何なら、スキーでも積めそうです。

それでは乗ってみましょう!

まあ、いくらGTとは言え見た目通りで、乗り降りし易いわけではないですが、特に苦労することもありません。

ドアがすげーデカいので、狭いトコロでは厳しいですが、それは宿命です。

まあ、そのドアも跳ね上げ途中で適度に止めれるので、抑えながらそーっと乗り込めば、多少狭くても対応できます。

乗った印象はスポーティそのもの。無駄な装飾はありません。

好みの問題ですが、フェラーリのような華美な演出は無く、キャビンも外から見る以上にタイトで、まさにコックピットという印象です。

ただし、上はそこそこ広いので、多少座高の高い人でも何ら問題ありません。

私の乗った車は、屋根がガラスになっており、多少オープン感覚(サンルーフじゃないので開きませんが)も楽しめました。

では、走ってみましょう!

快適!乗り心地サイコー

特に、路面や高架の継ぎ目を超える際など、硬い殻のようなボディは何事もないのに、サスだけが綺麗に段差分上下し、小さくタタンという音とともに、心地よく超えていきます。

足回りはコンフォート、スポーツ、トラックの3モードが選択できます。

市街地はコンフォートでも良いんですが、おすすめはスポーツです。おそらくマクラーレンも、メインセッティングはスポーツに合わせているんじゃないかと思います。

コンフォートだと、乗り心地はイイですが、ややロール感が出てきます。

逆にトラックにすると、明確に硬くなる。というか、そんなことは無いんですが、ダンパーはそのままで、サスだけ硬くなったような雰囲気で、やや飛び跳ねやすくなります。一般道レベルだと、飛ばす際でも、トラックよりスポーツの方が安心して踏めると思います。

エンジンは、ちょっと別で書こうと思いますが、特にコンフォートだと 非常に静か で、快適性に拍車を掛けます。でも、踏んだらターボのフィーンという音が鳴り、これは気持ちいい です。

アクセルのタッチが素晴らしいのも良い点です。

クルーズコントロールが旧式で、前車追従のアクティブクルーズコントロールは無いのですが、アクセルの1mmの動きでスピードをコントロールできるので、高速巡行が非常に楽です。

アクセルと違い、ブレーキは重い。ただし抜群に効く!

これはレーシングカーのようなタッチ。

強く踏めばもちろん抜群に効きますので、サーキットでは抜群でしょう。

単なる慣れの問題でしょうが、重いので、一般道では停止時にブレーキを抜いて綺麗に止まったりするのも、やや難しいです。

ステアリングも正確

やや重めのステアリングは、切ったら切った分だけ曲がり、高速コーナーでも全く怖さがありません。

で、さらに言うと、これだけ幅広のクルマなのに、乗ってて非常にコンパクトに感じます。

その一因として、これだけデカいのに、凄く 小回りが利く こともあります。

おそらく、リアブレーキ/デフ周りの電子制御で、うまくクルマが旋回するようにしてあるのでしょうが、まったく不自然な挙動は感じません。

DCTなので、スタートで多少スムーズさに欠けるという意見もネットにはありましたが、私はそんな風にも感じませんでした。

十分にAT感覚で乗れるのに、素早いシフトが可能です。

まさに、スーパースポーツと快適超高級車のいいトコどり です!

”GT”のコンセプト通り、長距離ドライブに普段使いもできるスーパーカーです。

さて、ここで終われば、サイコー!のクルマなのですが、ここからはちょっと気になる点をいくつか。

そちらは後編にて。

試乗記: マクラーレンGT スーパースポーツカーと快適性の両立とはいかなるものか(後編)
マクラーレンGT スーパースポーツカーと快適性の両立とは良いことばかりなのか。前回に引き続きインプレッションです。

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